読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2005-12-16から1日間の記事一覧

ラッセル・ホーバン 「ボアズ=ヤキンのライオン 」

なんとも説明し難い本です。 父と息子の物語、生と死の物語、老いと若さの物語、そして力の象徴であるライオンの物語。 とにかく相対する「象徴」が縦横にはりめぐらされた物語でした。 児童書で有名なホーバンは、詩人としてもピカ一で、本書の二十一章の出…

A・H・Z・カー 「誰でもない男の裁判」

古くからのミステリマニアの間では、長らく待ち望まれていたカーの短編集です。 カーといっても、こちらは短編の名手として名高いA・H・Z・カー。 ぼくも、本書を読むまでこの人の作品は一作も読んだことがなく、名のみ知るという存在でした。 印象に残っ…