読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2005-12-14から1日間の記事一覧

中島らも「ガダラの豚」

この本、単行本で出た当時(1993年)に読んだのですが、上下二段組で約600ページという長大さにも関わらず、一日で読み終わってしまいました。ほんと、読み出したらやめられないおもしろさなんです。物語には、アフリカ呪術、超能力、インチキ新興宗…

シンシア・オジック「ショールの女」

ホロコーストを生き延びた女性の半生が描かれているんですが、オジックの筆はそれをストレートに描かず、主人公であるローザの心象を通して浮かび上がらせています。 本書は二部構成になっています。「ショール」という短編と「ローザ」という中編。 「ショ…