読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2005-12-07から1日間の記事一覧

ダン・ファンテ「天使はポケットに何も持っていない」

どうしょうもない飲んだくれで、アルコールがきれると、自虐的で目も当てられない暴走はとどまることを知らない。 ほんと主人公のブルーノは、ろくでなしなんです。 でも、そんな彼をいつしか愛しく感じてる自分に気づいて驚きます。 妻にも見放され、家族に…

菊地秀行「エイリアン秘宝街」及びそのシリーズ。

いまでは、菊池秀行も夢枕獏も読むことはありません。 卒業してしまったんでしょうね。 でもまだ本を読みはじめて間もない頃は、このお二人に大変お世話になりました。 中でも、今回紹介するこの「エイリアンシリーズ」は大好きでした。 ジュブナイル専門の…

中井英夫「虚無への供物」

この本を読んだのは、もう17年も前のことでした。 当時、色々読んだこの本の書評ではアンチミステリだの、反世界的だの、オカルティズムへの傾斜だのと 書かれていたんで、正直ちょっと身構えて読みはじめました。 開巻早々、ゲイ・バーでの「サロメ」があ…