読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2005-11-26から1日間の記事一覧

KUWAIDAN~その3~

これは、親戚のおばちゃんから聞いた話である。おばちゃんが子どもの頃というから、昭和も一桁の時代の話。その日、おばちゃんとお母さんは二人で近くの山に山菜を採りに行った。午前中に出かけて山でお弁当を食べ、いっぱい山菜を採ってさあ帰ろうとした時…

ウィリアム・ギャディス「カーペンターズ・ゴシック」

とりあえず、小説の表現の仕方っておもしろいと思いました。 可能性の問題なのですが、まだまだ模索する余地はあるんじゃないか、形式にとらわれなければもっと新しいことが出来るんじゃないかと思いました。 本書はテキストとして機能する不思議な小説です…

スティーヴン・キング「I T」

いまさらなんなんだ、というような評価の定まった作品をわざわざ取り上げるのも気がひけるのですが、 でも自分のブログだからこそ一言いいたいという気もありまして、あえて、こういった定番作品を取り上 げてみました。 世界的怪物作家キングの第一期集大成…

広瀬 正「マイナス・ゼロ」

日本SF長編の金字塔であり、SF黎明期に登場し後の作家たちに多大な影響をあたえた大傑作SFが本書「マイナス・ゼロ」です。 著者の広瀬 正は、不幸な作家でした。長い不遇の時代を経て、ようやく世間に認められた矢先、取材先で心臓発作を起こして亡く…