読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2005-11-24から1日間の記事一覧

小林恭二「悪への招待状 幕末・黙阿弥歌舞伎の愉しみ」

歌舞伎を通して江戸の風俗を味わう好読物です。 それも爛熟期の江戸ではなく、大きく変わろうとしている頽廃の香り高まる幕末の江戸なんです。 世は風雲急をつげ、世相は乱れ、庶民は日夜遊興に耽ることばかりを考えている。 今の日本では考えられない世界で…

アリステア・マクラウド「灰色の輝ける贈り物」

本書には八編の短編が収録されています。 アリステア・マクラウド。 この人の本を一冊でも読めば、必ずこの作者の名があなたにとって特別な響きを持つことになるでしょう。 それほど、この作者の描く世界は素晴らしい。 各作品から受ける印象はとても静かな…

東野圭吾「容疑者Ⅹの献身」

純粋なミステリとしてとても完成度が高いですね。こんな単純な事件に、いったいどんな驚天動地のトリ ックが隠されているんだと、眉にツバつけて読んでいたんですが、見事にしてやられました。 まさかね、こんなことになっていようとは・・・。 このトリック…