読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2005-11-05から1日間の記事一覧

クイズでも出してみましょうか

というワケで クイズ!!! いってみましょうか。 『ジョンとメアリが、密室で死んでいた。 そばには、ガラスの破片と水が少しあった。 いったい彼らに何が起こったのでしょう?』 というクイズです。 どうですか?わかりますか? このクイズは、とんち等のたぐ…

鳥越 碧「一葉」

樋口一葉といえば「にごりえ・たけくらべ」を書いた人というくらいしか認識なかったし、その作品に接したこともなかったのですが、そうか、この人はこんな思いをして小説と向き合っていたんだと新鮮な気持ちで読みました。 彼女は天才でした。 でも天は、そ…

ミル・ミリントン「 ああいえばこういう。 このあと続けてもう一回っていうのは、きついかも」

この本は、タイトルと扇情的な表紙のせいでだいぶ誤解されてるんじゃないかと思います。この本の原題は「僕とガールフレンドが口論してきたこと」。全編、これ笑いに満ちたエピソード満載で、久しぶりに本を読んで声をあげて笑ってしまいました。この本の作…

リチャード モーガン 「オルタード・カーボン」

遥かかなたの未来の話なんで、感覚としては現代と戦国時代くらいの文明の隔たりがあるんですが、一番のアイディアはタイトルにもなっている「オルタード・カーボン」。人間の心がデジタル化されメモリー・スタックに保存されているんです。だから、肉体が損…

アダム・ジョンソン「トラウマ・プレート」

良さそうだと思って読んだら、期待以上に素晴らしかったんでびっくりしました。この短編集、後になる につれて傑作が揃いぶみで、特に印象深いのがラストの「八番目の海」と「大酒飲みのベルリン」。前者 はこの短編集の中でも数少ない普通小説。だから余計…

ムヒカ・ライネス「七悪魔の旅」

七つの大罪の悪魔が出てくるということで、黙示録的なデモーニッシュな内容なのかと思っていたんで、あまりにも好印象な悪魔たちにびっくりしました。 なんといっても暴食を司る悪魔ベルゼブブが最高。ぼくはいままでこの蝿の悪魔に忌まわしい嫌悪感を抱いて…